TOPICS

TECH BLOG

【TECH BLOG #21】 海外展開タイトルの開発所感

こんにちは、エンジニア のM.Kです。
今回は『プリンセスコネクト!Re:Dive』英語版の海外展開・開発を通して得た知見・苦労した点などを紹介していきます。
ファンプレックスでは、こちらの記事で紹介したとおり、現在ゲームアプリの海外展開も行なっております。

開発概要および開発期間

まず、今回の案件は「タイムマシン運営」という方法を用いることが決まっていました。
タイムマシン運営とは、「日本でリリースされたキャラやコンテンツを、後追いで追加していく運営方法」です。

オリジナルとなる日本版の開発・運営元のCygames様からアプリのコードを頂き、弊社側で運営していく為にある程度コードの改修を実施しました。(海外展開用サーバーで運営する為の各種設定や、翻訳を行うためのコードの最適化など)

アプリのバージョンを初期に近い状態でリリースし、順次日本版のアプリと同様のアップデートを行いながら運営を行うという方針でした。

また、開発として一番工数がかかった作業は「翻訳対応」です。
アプリ内の表記やストーリーなどの字幕など、膨大な量の文字をいかに効率よく、また運営開始時も少ない改修で翻訳対応していけるかが焦点となりました。

上記の内容を掘り下げて、その他苦労した点などを紹介できればと思います。

タイムマシン運営

開発全体を通してやはり一番苦労した点は、上記でも説明した「タイムマシン運営」に関わる点です。

タイムマシン運営に関して、もう少し具体的に説明すると
例えば、
日本版が2018年2月にリリースされ、キャラAが1ヶ月後の2018年3月にリリース、
コンテンツAがさらに1ヶ月後の2018年4月にリリースされたとします。

この海外版が2021年1月にリリースした場合、キャラAが1ヶ月後の2021年2月にリリースされ、
コンテンツAがさらに1ヶ月後の2021年3月にリリースされる、というスケジュールとなります。
(多少のスケジュール調整などは入ります)

今回、上記のようなスケジュールで運営していく上で、やはりソースコードの改修は少なからず発生しました。

弊社側でコードの改修や修正を行う場合
・対象箇所にバージョンアップで別の修正が入る可能性がある
・大きめにコードを修正してしまうと、後にバージョンアップのコードを反映する時に大量の差分が出てしまう
上記のような理由から、例え何かしらの不具合を検知した場合でも、修正方法を慎重に検討する必要がありました。

今回、修正方針として下記のような対応を行いました。
・先行してバージョンアップのコードを頂き、そのコードで不具合対応等が行われていないか調べる
・小さい修正は許容して修正を行う
・大きく修正が必要な場合は、可能な限り別ファイルや別クラスとして定義して、バージョンアップコードとバッティングしないような方法で改修する

まだ、本格的にバージョンアップコードの反映作業を行なってはいない為、今後も様々な問題が出て来ると想定していますが、そこはファンプレックスが今まで培ってきた運営改善の技術を用いて、どこまで最適化できるかが今後のチームの課題と考えています。

アプリの英訳対応

アプリの翻訳対応において、UIの改修も多く行いました。

基本的に日本語よりも文字数が増えるため、デザイン面での調整が多くあるのですが、プログラムのロジックによる対応が必要でした。

例えば、ランキングの順位を表す際には、日本語の場合は1位、2位、3位…と数値のみを差し替える事で表現ができますが、英語の場合は 1th、2nd、3rd…と表記が異なるため、正しい序数の表記になるようロジックの追加を行いました。

同様に、年月日の表示も異なるので表示形式を変更しています。

英語圏のお客様に違和感なく受け入れていただけるように、こうした細かな調整も行いました。

海外パートナーとの時差問題

海外展開を行う上で、海外向けパブリッシャーのパートナー様ともやりとりも行い、開発を行う上での
様々な取り決めや仕様変更などを連携して行いました。

それらの連絡は基本slack上で行なっていたのですが、パートナー様の事業所の所在地が北米である
兼ね合いで、やりとりを行う上でも時差が生じます。

仕様の確認やUI変更のやりとりを行う場合、時差により業務時間が合わず進行遅延や、出社時に大量の返信を行わなければいけないということが双方で発生してしまい、

対策として
・質問などはスプレッドシートにまとめてパートナー様に回答を依頼させていただく
・質問や相談について時差込みで回答期日を設定させていただく
などを行いました。

海外展開を行う上で、やはり海外パートナー様との密なやりとりが重要になってくるのでこのような時差問題を、いかに上手く運営していくかも課題の一つだと感じました。

インフラ整備と負荷試験

また、今回の案件は英語版として全世界向けリリースということで、本番環境のインフラ整備に関しても、力を入れた箇所です。

日本版のKPIデータを基に、想定されるユーザー数やRPS(Request Per Second)を試算し、リリース時のサーバー構成を構築した上で「JMeter」というオープンソースの負荷検証ツールを用いて、実施に負荷試験を実施しました。

負荷試験を実施したことにより開発時の検証やQAでは発見できない、サーバーやミドルウェアのボトルネックを検知し、修正対応を行うことができました。その結果、インフラの障害を発生させることなくスムーズにアプリのリリースを行うことができました。

リリース後の海外の盛り上がり

リリース前から各国で話題と期待が高まっていた本タイトルですが、リリース後は全世界のお客様の盛り上がりをSNS上で確認することができました。
開発に携わり、全世界に日本のエンターテインメントを届ける貢献ができたことを大変嬉しく思っています。

最後に

ファンプレックスとして、国内のゲームアプリを海外展開するというのは今回初めてということでとても多くの知見を得ることができました。

多くの国に配信することに伴い、決済に使われる通貨の種類を考慮した開発や検証環境の整備、GDPRへの対応などが必要になったりなど、海外配信ならではの決まりや法律等、海外展開を行う上で理解しておかねばいけない項目が数多くあることを知りました。

今後、日本製ゲームアプリの海外展開増加とともにその開発に携わる機会も増えてくると確信しています。

今回得た経験や知識を、次の機会やその他の案件にも活かして、様々なアプリの海外展開を通してゲーム市場を盛り上げていくことに貢献していきたいと考えています。

『プリンセスコネクト!Re:Dive』© Cygames, Inc.

ファンプレックス株式会社

グリー株式会社の100%子会社で、ゲーム運営を軸にした事業を行う。
公式サイト: https://funplex.co.jp/
公式Facebook:https://www.facebook.com/funplexInc

[本件に関するお問い合わせ先]
ファンプレックス株式会社 広報担当
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー
E-mail: info.funplex@funplex.co.jp